2019/07/08 Mon,
虚血性心疾患について
こんばんは。AXISの宮城です。
今回は、「虚血性心疾患」についてお話しします。
心臓は1日に約10万回も収縮・拡張を繰り返し、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。この収縮・拡張する心臓の筋肉(心筋)に、酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。
虚血性心疾患とは、この冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞したりして心筋に血液が行かなくなること(心筋虚血)で起こる疾患です。
動脈硬化とは、老化によって血管が硬くなったり、血管の壁に脂肪などの固まり(プラーク)が蓄積して血管の壁の一部が盛り上がり、血管の内腔が狭くなっている状態です。
冠動脈が動脈硬化などで狭くなると、血流が悪くなって心筋に必要な血液が不足し、胸が痛くなります。これが狭心症です。
さらに動脈硬化が進み、何かの原因で血管内のプラークが破れて冠動脈の血管内に血栓ができ、完全に詰まって心筋に血液が行かなくなった状態が心筋梗塞です。
心筋に血液が行かないと、その部分が壊死してしまい、壊死の部分が大きくなると心臓の収縮・拡張ができなくなるため、命にかかわる危険な状態となり、緊急の治療が必要です。
最近は、狭心症の中でも心筋梗塞に移行しやすい不安定狭心症と、心筋梗塞を合わせ、急性冠症候群と呼んで原因や病態、治療について研究されています。
虚血性心疾患に含まれる疾患
・狭心症
・心筋梗塞
・虚血性心不全
・虚血性心疾患の致死性不整脈
虚血性心疾患を診断するためには、第一に心筋虚血によるさまざまな症状、たとえば狭心症や心筋梗塞、あるいは心不全、致命的不整脈と思われるような症状があって、第二に心筋虚血があること、第三に冠動脈に動脈硬化性病変があることを確かめるというのが手順となります。
虚血性心疾患は冠動脈硬化のために起こります。これを予防するためには動脈硬化を予防しなければなりません。
第一は生活習慣の現状と管理目標とする数値です。
血圧は140/90mmHg未満を維持するようにします。高齢者の場合には150~160/90mmHg未満とします。
健康診断などでの血液生化学検査では、総コレステロールは240 mg/dl未満、LDLコレステロールは140 未満、HDLコレステロールは40 以上、トリグリセライドは150 未満が目標です。血糖は125 以下、ヘモグロビンA1cは6.5%未満が青信号です。尿酸7.2 以下、クレアチニン1.2以下も確かめておきましょう。
また、食事や運動を適切に行うことによって、筋肉の低下を防いだり、エネルギー消費にもつながります。合併して起こる生活習慣病は、日頃の運動をすることによって予防できます。
高血圧の人や肥満の人は、正しい運動をすることによって改善されますが、むやみやたらにやっても逆効果の場合がありますので、注意しましょう!
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