2019/07/04 Thu,
リンパ浮腫について
こんばんは。AXISの宮城です。
今回は、「リンパ浮腫」についてお話しします。
リンパ浮腫とは、「リンパを輸送するシステムのトラブルにより、リンパをうまく血液中に戻すことができず、細胞と細胞の間にリンパがたまってしまった状態」をいいます。
リンパ浮腫は、他に原因がみあたらない原発性のものと、ケガや、ガンの手術など他の原因によって引き起こされた続発性のものに分けられます。
症状
リンパ浮腫では、腕や足に腫れやむくみ(浮腫)があらわれます。
診断
はじめに超音波(エコー)検査やCT検査、MRI検査などの画像検査によって他の類似の病気ではないことを確認します。その上で、リンパ輸送システムのトラブルが、リンパシンチグラフィー、ICG蛍光リンパ管造影、リンパ管造影などの検査で認められた場合にリンパ浮腫と診断されるのです。リンパ浮腫の大部分を占める続発性リンパ浮腫の場合には、ガンを含めその原因疾患がみつけだされます。国際リンパ学会では、リンパ浮腫の病期を、まだむくみ(浮腫)があらわれていない「0期」から、腕や足を上げることでむくみ(浮腫)が消える段階である「Ⅰ期」、腕や足を上げてもむくみ(浮腫)が軽くならない「Ⅱ期」、そして皮膚に変化(線維性硬化を伴う)があらわれた「Ⅲ期」に分類しています。
治療
リンパ浮腫の治療は、保存的治療と外科的治療に大別されます。主には保存的治療が行われ、保存的治療としては、スキンケア、手を使ったリンパドレナージ(排出)、弾力のある着衣や包帯による圧迫療法、圧迫を加えながらの運動などを組み合わせた治療(複合的理学療法)の効果が報告されています。残念ながら手を使ったリンパドレナージには今のところ保険がきかず、実施できる医療機関が限られています。薬物療法については、現時点では推奨されていません。外科的治療として、リンパ管微小静脈吻合が行われていますが、高い技術が求められるため限られた医療機関でのみ行われており、この手術に適した患者さんや長期的な効果の評価にはまだ時間がかかるものと思われます。
浮腫を軽減する目的で、運動やエクササイズは多く取り入れられています。運動をすることで、関節の可動域の維持、筋力・活動量を向上させることができ、生活の質を向上することができます。日常生活の中で、いかにリンパ系を活発に動かしながら過ごせるかということが重要になります。呼吸や関節運動、有酸素運動を行うことで、リンパ系の活性化を図ることができると考えられています。
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