2017/12/03 Sun,
椎間板ヘルニアについて
こんにちは。AXISの上田です。
今回は、椎間板ヘルニアについてお話しします。
まずヘルニアについて説明します。ヘルニアとは、体内のある臓器が本来あるべき位置から脱出してしまった状態を指します。有名なところでは、臍ヘルニア(でべそ)、鼠径ヘルニア(脱腸)があります。これが背骨のクッションである椎間板におこったものを椎間板ヘルニアと呼びます。椎間板の中に存在する髄核というゲル状の組織が、外に飛び出してしまった状態です。
神経が圧迫されることにより腰痛、脚の痛みやしびれ、ひどい場合には感覚が無くなってしまったり、足が動かせなくなってしまう事もあります。背骨は頚椎・胸椎・腰椎に分けられ、その全てに椎間板が存在しますが、構造的に負担がかかりやすい頚椎と腰椎に好発します。20~40歳代のどちらかと言えば男性に多く、整形外科では非常にポピュラーな病気と言えます。
椎間板ヘルニアの主な原因は椎間板への強い圧力です。椎間板は、髄核と呼ばれる軟らかい組織と、それを覆う線維輪と呼ばれる硬い組織でできています。椎間板に大きな負担がかかると線維輪が破綻し、そこから軟らかい髄核が突出してきます。そして突出した髄核が神経に当たると様々な症状引き起こすのです。前述の通り、椎間板への負担が椎間板ヘルニアの主な原因ですが、喫煙や遺伝なども発症に関わると言われています。
椎間板は10歳を過ぎたころから老化が始まります。加齢に伴う椎間板の老化の過程で生じますが、急に重い物を持ち上げる、中腰といった日常の動作、激しいスポーツなどの腰への負担がきっかけとなることが少なくありません。また、喫煙、遺伝(同一家系内に発症しやすい)、精神・社会的側面(不安、抑うつ、結婚生活)や、仕事に対する姿勢(仕事上のストレス、仕事への集中度や満足度、失職)などが深く関与していることも指摘されています。
椎間板ヘルニアの治療は、観血的療法と保存療法とに分けられます。
観血的療法とは手術治療のことを指し、保存療法は、それ以外の投薬治療や注射、コルセットなどの装具療法、リハビリなどを指します。
保存療法は、ヘルニアによる神経の圧迫を直接取り除くわけではないので、どちらかと言えば痛みなどの症状に対する対処療法となります。激烈な症状や麻痺など重度のヘルニアである場合を除き、まずは保存療法を選択するのが一般的です。
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